削りぶしのできるまで

 丹念な製造工程を経て、完成するまでに4~5カ月もかかります。まさに手間ひまのかかる芸術品。その芳醇な風味は、日本料理に欠かすことができず、世界中から注目されています。

写真協力:株式会社カネソ22、株式会社にんべん、有限会社畑野水産、ヤマキ株式会社
 1 かつお漁
 赤道付近から三陸沖まで順次北上します(3月上旬~6月上旬)。
 かつおの鮮度や脂のりをチェックし、かつお節に合ったものを選びます。

かつお漁
 2 生 切 り
 かつおの頭と内臓を除去して3枚におろします。
 大きいものは雄節(背側)と雌節(腹側)に分けます。分けてないものは亀節といいます。


 3 籠 立 て
 煮籠(にかご)に、丁寧に並べていきます。この作業で節の形が決まるので、大切な作業です。


 4 煮 熟
 籠立てした煮籠を、75~98℃の湯で60~90分程煮込みます。


 5 骨 抜 き
 煮熟を終えた後は皮・ウロコ・皮下脂肪・汚れなどを取り除きます。
 さらに1本ずつ手作業で身を傷つけないよう骨を抜いていきます。


 6 焙 乾
 焙乾とは燻(いぶ)すことで、何回も繰り返し行います。薪にはナラ・クヌギ・サクラなどが一般的に使用されます。


荒 節 の 完 成



( 以降 枯節の工程 )
 7 表面削り(整形)
 形を整え、カビがつきやすいように表面のタール分や滲み出た脂肪分を削り落とします。削り上げた節は裸節と言います。


 8 かび付け・乾燥 (繰り返し実施)
 裸節に、優良鰹節カビを植菌し温度、湿度が管理された室(むろ)で貯蔵し、カビを節全体に付けた後、日干・乾燥機等で干す工程を繰り返すことで鰹節の水分をカビが均等に吸収して乾燥してくれます。
 またカビ付けは微生物の働きにより発酵・熟成する効果があります。


枯 節 の 完 成

 

 削 り
 荒節・枯節を削り機で薄削り・厚削り等に削ります。


 包 装
 気密性容器に不活性ガスを入れ包装します。