おいしさのヒミツ

焙乾による おいしさ

 「焙乾」とは燻すことです。煮熟後に繰り返し行われる工程で、堅木等の薪を燃やして煙と熱をあて、節の水分をとばします。焙乾させることにより、次のような効用があります。

  • 広葉樹(なら、かし、くぬぎなど)のやわらかい独特の香りがつき、同時に魚臭を消します。
  • 節特有の美しい深みのある色沢を与えます。
  • 魚臭や渋みのもととなる酸化が防止されます。
  • 細菌による腐敗が防止され、保存性が高まります。


カビによる おいしさ

 枯節の工程にカビ付けがあります。アスペルギルス属やユーロチウム属のカビを使い、焙乾だけでは取りきれなかった節の中の水分を、さらに取り除きます。

  • カビが内部の水分を吸い出すので、均一に乾燥させることができます。
  • 脂質は、魚臭やだし汁の濁りの原因となります。カビの菌糸が分泌するリパーゼ(脂肪分解酵素)が中性脂肪を分解し、上品でまろやかな香りのする透明度の高いだしがとれるようになります。