削りぶしのうま味の正体

 うま味の主役は、核酸関連物質のなかのイノシン酸(IMP)とアデニル酸(AMP)です。これに微量に含まれているグルタミン酸(MSG)が加わり、相乗効果で味が引き立ちます。脇役として、遊離アミノ酸や魚節のもつ香気成分、燻製成分、カビ付けによる独特の香気などが要素になっています。

 また、脂質やグリコーゲンなども微妙に全体の味を引き立てているほか、魚種によって、それぞれの独特の持ち味が加味されています。

 削りぶしのうま味には、たくさんの呈味・芳香成分が関わっていて、単一の化学調味料では得られないバランスの良い香りとまろやかな味、コクの深さがあります。さらに昆布(グルタミン酸)を加えることで、相乗効果によってうま味が増します。